医療統計入門⑤ ~分散分析~

看護研究

どんな時に使うの?

対応のない3群以上の平均値を比較する
t検定は2群の平均値を比較しましたが、分散分析は3群以上の平均値を比較します。
表題に「対応のない3群以上」と記載しましたが、対応のある場合は反復測定分散分析と呼ばれる少し変わった分析方法を行います。
今回はあくまで、対応のない群間比較です。
つまり、「一元配置分散分析」や「二元配置分散分析」ですね。
「一元配置分散分析」とは、例えば、「1年生・2年生・3年生の身長の平均を比べる」場合がこれに該当します。

1年生2年生3年生
160.5cm165.5cm170.0cm

学年は身長に影響する要因なので、これを「因子」と言います。
因子が1つの場合に分析するのが「一元配置分散分析」です。
一方で、「二元配置分散分析」とは、例えば、「1年生・2年生・3年生の男女で身長の平均を比べる」場合がこれに該当します。
この場合、因子は「学年」と「性別」の2つです。

1年生2年生3年生
男子163.0cm168.5cm172cm
女子158.0cm162.5cm168cm

分散分析のための前提条件
こちらの記事でも紹介した通り、分散分析は正規分布を使用して行います。
そのため、3群とも正規分布していることが前提条件です。
こちらの記事のフローチャートをご覧ください。

JMPを用いた分散分析の実際

① データをセットする
【ファイル】→【開く】でexcelのデータファイルを選択する

② ワークシートを選択する
【ワークシート】の選択→【読み込み】でワークシートを選択する

③ 正規性を確認する
【分析】→【一変量の分布】を押す

【列の選択】から正規性を調べる群を選択→【Y, 列】→【OK】を押す

キーボードの[ctrl]を押しながら【▼】→【連続分布のあてはめ】→【正規のあてはめ】を押す

キーボードの[ctrl]を押しながら【▼】→【適合度】を押す

Shapiro-WilkのP値 (サンプルサイズが2001以上の時はKolmogorov-Smirnov Lilleforsと表記が変化) が0.05以上の時に正規性が認められる

今回は3群とも正規性が認められた。

④ 分散分析を行う
【テーブル】→【列の積み重ね】を押す

【列の選択】から3群を選択→【積み重ねる列】→【OK】を押す

【分析】→【二変量の関係】を押す

【ラベル】を【X, 説明変数】に、【データ】を【Y, 目的変数】に入れる→【OK】を押す

【▼】→【平均/ANOVA/ブリーフィングしたt検定】を押す

分散分析内のP値」を見る。その値が0.05以下であれば有意差を認める

論文への書き方

1年生・2年生・3年生の身長はそれぞれ正規性を認めた (P = 0.27,P = 0.87,P = 0.07)。よって、一元配置分散分析を実施した。その結果、学年の間に有意差を認めた (P < 0.001)。

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