確かに、金銭的な理由から進学をあきらめる人は少なくない。
でも、諦める前に進学した人がどれくらいの
大学院にかかる費用を見てみよう

大学院進学に興味はあるんですが、どれくらいお金がかかるんでしょうか?

大学院でかかる費用についてまとめたよ。
① 学費
一番大きくかかってくるのは学費です。
入学金を含め、卒業までにかかるお金を把握しておきましょう。
以下の表は大まかな目安です。
※ 大学卒→大学院進学の場合や、修士→博士進学の場合は入学金がかからない場合があります。
国公私 | 入学金 | 学費/年 | 修士合計 | 博士合計 |
---|---|---|---|---|
国公立大学院 | 282,000円 | 535,800円 | 1,353,6000円 | 1,889,400円 |
私立大学大学院 | 200,000~ 400,000円 | 400,000~ 1,200,000円 | 1,000,000~ 2,8000,000円 | 1,400,000~ 4,000,000円 |
② 教科書・参考書代
専門書の購入が必要な科目を履修した場合、1冊10,000円オーバーの書籍を複数冊購入する必要があります。
必要経費は大学や専攻科によって本当に様々で、0円~200,000円程度と幅があります。
③ 研究費
文献複写費や英語論文の校正費、APC(Article Processing Charge; 論文掲載料)、学会参加費や旅費、印刷代など研究にかかる費用は莫大です。
研究室ごとに大学院生の研究活動費が予算配分されてはいるものの、それほど多くないでしょう。
場合によっては私費からの持ち出しとなる場合が少なくありません。
④ 生活費
一般的に一人暮らしにかかる生活費は100,000~180,000円/月程度だそうです。
年間で1,200,000~2,160,000円、修士なら2,400,000~4,320,000円、博士なら3,600,000~6,480,000円になります。
これは生活圏によっても変化します。
また、通学にかかる交通費や社会保険料、各種税金などでもう少しかかる場合もあります。
現在かかっている生活費を把握し、進学後の費用はそこから少し多めに見積もっておくのがよいでしょう。
収入確保作戦①【進学前に貯金せよ!】

結構お金がかかるんですね。
皆さんお金はどうやって工面しているんですか?

お金の工面は大学院生の宿命だ。
ここでは、5つの工面方法を紹介しよう!
まずは一番ありふれた方法、「貯金」だ。
貯金の目標金額はこちら ※その他の金策を講じない場合
① 進学後も正職員で働く場合
(収入が減らない場合)
目標貯金額 = 「学費+教科書代+研究費」
② 進学後は非正規職員で働く場合
(収入が10万程度減る場合)
目標貯金額 = 「学費+教科書代+研究費+2,400,000円」(修士の場合)
目標貯金額 = 「学費+教科書代+研究費+3,600,000円」(博士の場合)
③ 進学後は働かない場合
(収入がない場合)
目標貯金額 = 「学費+教科書代+研究費+生活費」
上記は、貯金以外の金策を一切講じない場合です。
これから紹介する他の工面方法を併用する場合は、もう少し貯金額を減らしてもよいでしょう。
収入確保作戦②【理解ある職場を確保せよ!】

貯金額が多すぎてびっくりです。

上で紹介したのはあくまで貯金だけで卒業しようとした場合だ。
大学院に通う皆は、これから紹介する方法と掛け合わせて暮らしている。
次に紹介するのは「職場探し」だ。
① 現在の職場を続ける
進学前から師長さんに進学したい旨を相談してみましょう。
大学病院やスタッフのキャリアアップに協力的な施設では、働きながら通う方法を一緒に考えてくれるところがあります。
シフトや勤務先の調整などが受けられるならば、現職を継続するのは良い選択と言えます。
② 理解ある職場に転職する
現在の職場から離れた大学院に進学する場合や職場の理解が得られない場合は転職することになるでしょう。
転職の場合、多くは非正規職員となることが多いです、つまりパートです。
大学と並行して働くため、夜勤専従や単発バイト(働く日にちを随時選択して働く)などが人気です。
パートの場合、多くは進学を否定されることは少ないですが、理解を得るためにも面接時に「大学院に通いながら働くこと」を伝え、理解を得るようにしましょう。
収入確保作戦③【学費を減免せよ!】

働き先は確保できました!
でも、やっぱり学費は高いです。

学業の成功は生活の安定だ。
次に紹介するのは、「学費を抑える」方法だよ。
① 大学の授業料免除制度を利用する
収入が基準以下の学生に対して、授業料の半額または全額を免除する制度が設けられている場合があります。
学生支援課のような部署があると思いますので、事前に制度の内容を確認するとよいでしょう。
② 授業料補助の助成金を利用する
奨学金の一種として、授業料を補助してくれる制度があります。
多くは民間財団の助成金となります。
詳しくは関連記事をご参照ください。
③ 長期履修制度を利用する
大学院は最低修業年(修士課程2年・博士課程3年)で卒業できるとは限りません。
2年間で卒業できなかった場合は、追加で1年間の学費がかかってしまいます。
そこで、長期履修制度を利用することをお勧めします。
注意点として、この制度は授業料を減らすことができる制度ではなく、引き伸ばして支払う制度です。
例えば、修士課程2年間でかかる費用を4年分に引き伸ばして支払うことができます。つまり、国公立の場合であれば、年間535,800円を2年かけて支払うところを、半額の267,900円ずつ4年かけて支払います。
長期履修制度を利用して修士を3年で卒業した場合は、残りの267,900円を卒業後に支払います。2年で卒業した場合は、残りの535,800円を卒業後に支払います。
つまり、長期履修制度を使用すればいつ卒業してもかかる学費は2年分だけで済みます。
在学年数 | 1年目学費 | 2年目学費 | 3年目学費 | 4年目学費 | 合計 | 制度を使用しない場合 |
---|---|---|---|---|---|---|
4年 | 267,900円 | 267,900円 | 267,900円 | 267,900円 | 1,071,600円 | 2,143,200円 |
3年 | 267,900円 | 267,900円 | 267,900円 | (卒業後) 267,900円 | 1,071,600円 | 1,607,400円 |
2年 | 267,900円 | 267,900円 | (卒業後) 535,800円 | 1,071,600円 | 1,071,600円 |
収入確保作戦④【奨学金を検討せよ!】

やっぱり働いて稼ぐお金だけじゃ進学は難しそうです。

看護師の給料だけでは収入が厳しいことは多いね。
そういう場合は奨学金を検討してみよう!
奨学金の種類
① 給付型奨学金
返済不要型の奨学金です。
世帯収入が住民税時課税またはそれに準ずる場合に給付されることが多いです。
また、民間財団の給付金の場合は、成績証明や学業報告書の提出、奨学生の集会参加などが求められることがあります。
② 無利子貸与型奨学金
返済は必要ですが、利子のつかない奨学金です。
世帯収入の制限や学業成績の制限がある場合が多いです。
借金ですので、保証人が必要です。
③ 有利子貸与型奨学金
返済は必要で、利子のつく奨学金です。
借金ですので、保証人が必要です。
日本学生支援機構(JSSO)の他、民間財団の奨学金が数多くあります。
詳しくは関連記事をご参照ください。
収入確保作戦⑤【研究費を獲得せよ!】

研究するのってお金がかかるんですか。

大丈夫。
研究費を助成してくれる制度も数多くある。
今回は概要を説明しよう!
研究費獲得について
本邦には科研費や民間財団の助成金など、研究者を支援する制度が多く存在します。
多くの場合は、申請書(研究計画書・研究実績・必要費用の内訳など)を作成し提出します。
民間の研究費の検索は関連記事、または以下のサイトをご参照ください。
コメント