特定行為のイロハ

キャリアアップ

こんにちは、塾長です。

近年人気が出ている特定行為についてまとめました。

特定行為に興味のある方は是非ご一読ください。

特定行為って何?

日本の高齢化は深刻です。
団塊の世代、つまり高度経済成長期の日本を支えた世代の人たちは人口が多いわけですが、この層が75歳以上になるのが2025年と言われています。
いわゆる、2025年問題です。
この対策として、地域医療体制の構築など取り組んでいるわけですが、医療者の人手不足もまた深刻です。
そこで、医師又は歯科医師の判断を待たずに、手順書により、看護師一定の診療補助を行えるようにしよう、 というのが特定行為の制度です。

手順書って何?

手順書は、医師又は歯科医師が作成する指示書です。
看護師が診療補助を行えるよう、事前に「特定行為を行ってよい患者の病状の範囲」や「特定行為の内容」などが決められ、手順書に書かれています。
手順書の内容は具体的には以下のものになります。
1.看護師が特定範囲を行える患者の病状の範囲
2.特定行為の内容
3.手順書を作成する段階で特定行為の対象とする患者状態
4.特定行為を行う際の確認事項
5.安全確保のための医師又は歯科医師との連絡体制
6.特定行為後の報告方法

特定行為ってどんなこと?

特定行為は、21区分38行為あります。

特定行為区分特定行為
呼吸器(気道確保に係るもの)関連経口用気管チューブ又は経鼻用気管チューブの位置の調整
呼吸器(人工呼吸療法に係るもの)関連侵襲的陽圧換気の設定の変更
非侵襲的陽圧換気の設定の変更
人工呼吸管理がなされている者に対する鎮静薬の投与量の調整
人工呼吸器からの離脱
呼吸器(長期呼吸療法に係るもの)関連気管カニューレの交換
循環器関連一時的ペースメーカの操作及び管理
一時的ペースメーカリードの抜去
経皮的心肺補助装置の操作及び管理
大動脈内バルーンパンピングからの離脱を行うときの補助の頻度の調整
のうドレーン管理関連のうドレーンの抜去
胸腔ドレーン管理関連低圧胸腔内持続吸引器の吸引圧の設定及びその変更
胸腔ドレーンの抜去
腹腔ドレーン管理関連腹腔ドレーンの抜去(腹腔内に留置された穿せん刺針の抜針を含む。)
ろう孔管理関連胃ろうカテーテル若しくは腸ろうカテーテル又は胃ろうボタンの交換
膀胱ろうカテーテルの交換
栄養に係るカテーテル管理(中心静脈カテーテル管理)関連中心静脈カテーテルの抜去
栄養に係るカテーテル管理(末梢留置型中心静脈注射用カテーテル管理)関連末梢留置型中心静脈注射用カテーテルの挿入
創傷管理関連じょくそう又は慢性創傷の治療における血流のない壊死組織の除去
創傷に対する陰圧閉鎖療法
創部ドレーン管理関連創部ドレーンの抜去
動脈血液ガス分析関連直接動脈穿せん刺法による採血
とう骨動脈ラインの確保
透析管理関連急性血液浄化療法における血液透析器又は血液透析過器の操作及び管理
栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連持続点滴中の高カロリー輸液の投与量の調整
脱水症状に対する輸液による補正
感染に係る薬剤投与関連感染徴候がある者に対する薬剤の臨時の投与
血糖コントロールに係る薬剤投与関連インスリンの投与量の調整
術後とう痛管理関連硬膜外カテーテルによる鎮痛剤の投与及び投与量の調整
循環動態に係る薬剤投与関連持続点滴中のカテコラミンの投与量の調整
持続点滴中のナトリウム、カリウム又はクロールの投与量の調整
持続点滴中の降圧剤の投与量の調整
持続点滴中の糖質輸液又は電解質輸液の投与量の調整
持続点滴中の利尿剤の投与量の調整
精神及び神経症状に係る薬剤投与関連抗けいれん剤の臨時の投与
抗精神病薬の臨時の投与
抗不安薬の臨時の投与
皮膚損傷に係る薬剤投与関連抗癌剤その他の薬剤が血管外に漏出したときのステロイド薬の局所注射及び投与量の調整

特定行為研修って何?

特定行為研修は、看護師の理解力・思考力・判断力と知識。技能の向上を図るための研修です。
【共通科目】250時間と【区分別科目または領域別パッケージ】5時間以上を受講し、筆記試験・CSCE(実技試験)・実習を受けると合格できる。

【共通科目】
臨床病態生理学、臨床薬理学、臨床推論、疾病・臨床病態概論、フィジカルアセスメント、医療安全学/特定行為実践について、250時間の講義を受け、筆記試験に合格する
【区分別科目/領域別パッケージ】
区分別科目=必要となる特定行為をいくつか選んで受講する

区分別科目受講時間
呼吸器(気道確保に係るもの)関連9時間
呼吸器(人工呼吸療法に係るもの)関連29時間
呼吸器(長期呼吸療法に係るもの)関連8時間
循環器関連20時間
のうドレーン管理関連8時間
胸腔ドレーン管理関連13時間
腹腔ドレーン管理関連8時間
ろう孔管理関連22時間
栄養に係るカテーテル管理(中心静脈カテーテル管理)関連7時間
栄養に係るカテーテル管理(末梢留置型中心静脈注射用カテーテル管理)関連8時間
創傷管理関連34時間
創部ドレーン管理関連6時間
動脈血液ガス分析関連13時間
透析管理関連11時間
栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連16時間
感染に係る薬剤投与関連29時間
血糖コントロールに係る薬剤投与関連16時間
術後とう痛管理関連8時間
循環動態に係る薬剤投与関連28時間
精神及び神経症状に係る薬剤投与関連26時間
皮膚損傷に係る薬剤投与関連17時間


領域別パッケージ=いくつかの区分別科目をひとくくりにしたものを受講する

領域別パッケージ受講時間
在宅・慢性期領域61時間
外科術後病棟管理領域120時間
術中麻酔管理領域70時間
救急領域76時間
外科系基本領域96時間
集中治療領域76時間

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