こんにちは、塾長です。
この記事では、看護研究のテーマを決める方法をご紹介します。
この4ステップをしっかり踏めば、すぐに研究の準備が整います。
誰の役に立ちたいか【ぼんやりとでいいんです】
上司から看護研究をしなさいって言われました。
何をやっていいかさっぱりです。
看護研究は何故か嫌われ者だね。
でも攻略法通り進めれば、海外の雑誌で発表できるような論文も書けるよ。
まずは研究テーマを決めていこう。
研究で、誰の役に立ちたいかな?
誰の役に立ちたい?
- 患者 (健康な人の予防研究もここに含む)
- 家族 (親・配偶者・兄弟・孫…)
- 医療者 (看護師・医師・学生・教師…)
看護研究の始め方は、誰の役に立ちたいかを決めることです。
クリニカルクエスチョンを設定しよう【5W1H】
なんとなく、「手術を受ける患者さんの研究」がしたいです。
素晴らしい!
それじゃあ、どんどん具体化していこう。
5W1Hにしたがって、「手術を受ける患者さんの研究」を深めていくよ。
手術を受ける患者さんの研究って?
WHO (誰) | 男性?女性?どっちでもいい? 小児?青年?壮年?老年?いくつでもいい? 手術は心臓?消化器?脳?呼吸器?筋骨格?目?耳? |
When (いつ) | 術前? (外来?入院?) 術中? (術準備?麻酔前?麻酔後?覚醒時?) 術後? (術直後?数日前?退院後?数か月後?) |
Where (どこ) | 自宅?外来?病室?転院先?施設? |
What (なに) | 疼痛?不安?QOL?睡眠?ADL?予後? |
Why (なぜ) | 未解決?未発見?質向上?医療費削減? |
How (どのように・どのくらい) | どんな介入? (オリ?手術室見学?緩和ケア?) どんな曝露? (苦痛?孤独?不安?) 頻度は? (1回?複数回?常に?) 強度は? (軽症?中等症?重症?) |
ずっと「心臓の手術を受ける成人患者さんの術後疼痛を和らげるケアって何かないかな」って思っていました。研究のやりたい方向が決まってきました!
その調子だ!
このように、臨床で働いていて思い浮かぶ疑問をクリニカルクエスチョン (CQ) と言うよ!
CQはある程度具体的にしておくことが重要だ。
5W1Hでクリニカルクエスチョン (CQ) がつくれます。
文献検索でCQをつぶしていこう
これで研究をはじめられます!
ちょっとまってね。
実はCQだけでは研究はできない。
まずは、先行研究を読み漁ることが大切だ!
CQが定まったら、次は先行研究を検索します。
以下の手順に従って、PubMedや医中誌、Google scholarなどで検索しましょう。
① CQを文節ごとに区切る
心臓の/手術を/受ける/成人患者さんの/術後疼痛を/和らげる/ケアって/何か/ないかな
② 文節をいくつか使って検索式を作る
例: 「心臓」 AND 「手術」 AND 「疼痛」
例: 「術後疼痛」 AND 「緩和」 AND 「ケア」
※文献の検索方法は【関連文献】をご参照ください。
③ 先行文献リストを作って文献管理する
P: 対象者の詳細・I: どんな介入をしているか・C: 何と何を比較しているか・O: アウトカムに何を使っているか
をメモしておく
※先行研究リストの詳細は【関連文献】をご参照ください。
CQを基に、先行研究を読み漁りましょう!
最低目標は学生・臨床看護師50本、大学院生100本です。
リサーチクエスチョンを設定しよう【巨人の肩に乗れ】
自分のやりたい研究はもう全て行われているんだと感じました。
例えば
「心臓バイパス術後における疼痛緩和を目的とした音楽療法の効果」
どうしたらいいでしょうか?
研究で最も大切なのか「巨人の肩に乗る」だ。
先行研究と全く同じことをしても意味はないけど、設定を変えてやってみることはすごく意義深いよ。
先行研究の一部を変えても、研究はやりつくされているかい?
先行研究のテーマを少し変えてみましょう!
例: 「スタンフォードA型大動脈解離の術後疼痛を緩和する音楽療法の効果」
例: 「心臓バイパス術後における疼痛緩和を目的としたリラクゼーションマッサージの効果」
先行研究では、どんな病気を対象とした研究がありますか?
どんな疼痛緩和ケアがありますか?
色々な組み合わせを考えてみましょう!
なんとなく、研究テーマが見えてきました。
「心臓バイパス術後の患者さんに、手足浴をした場合と、清拭をした場合とで、疼痛の違いを比べる」
っていうのはどうでしょうか?
すごくいいと思うよ。
最後に、今言ってくれたことをPICOにまとめて、一つの文章にしてみよう!
先行研究のテーマを整えよう!
P: 心臓バイパス術を受けた患者
I: 手足浴を行う
C: 清拭を行う
O: 術後疼痛の程度
心臓パイパス術を受けた患者に対する主足浴が術後疼痛に与える効果: 清拭と比較して
研究テーマは新規性を保ちつつ巨人の肩に乗ることが大切です。
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